「莉子…何?その不自然な手は」



楓はひきつった顔で聞いた。



「いや…気にしないで」



「気になるよ」



楓は私の手をそっと握って外した。



「ぶっ!」



失礼な奴…



「も、もう…!いいから。それより…ん…」



突然のキスに私は驚いた。

でも…


幸せ…



「楓…何してたの?ずっと…」



ずっと寂しかったんだよ…


「ごめん…」



ギュッと抱きしめられた。


「あ…今日…何の日か知ってる?」



私の言葉に楓はにっこり笑った。



「それ、俺にくれるの?」


こいつ…



「やっぱ、や〜めた」



私はクルッと後ろを向いた。


楓は後ろから抱きしめて、


「ちょーだい」



って。



かわいいんですけど…