相手が愛浜さんならなぁ、なんて至極失礼な事を考えながら。
私も今日借りる本を探す。

(そういえば、矢澤先生の借りるって言ったんだよね)

ふと思い出すと、すでに私の足は先週連れて来て貰ったコーナーへと歩き出す。

「相田、来てたのか」

「⁉︎」

何もしていないのに私はびくぅっ!と背筋を震わす。

「白戸君、」
「ああ、矢澤先生の………」
「そ、そう。後聖徳太子についても結局調べられなかったからここでまとめようと思って」

今だに、ドキドキする。
白戸君が話しかけてくれるなんて慣れるはずがない。