「サフィ様!扉をお開けください!アーキル王子がお待ちです。」
「だから会わないと言ったでしょ!」
「お年を気にされているならご安心ください。アーキル王子はサフィ様の5つ上で、まだお若い方ですわ。」
「別に歳なんて関係ないわ!国王や国王になる王子が嫌なの!」
しつこく結婚を勧めてくるアナスに苛立ち、つい声が大きくなる。
「しかし…。」
「あなたもう下がってちょうだい!不愉快よ!」
声を荒げてそんな言葉を吐くサフィは、甘やかされて生きてきたため感情のコントロールが少し苦手だ。
「申し訳ございません。出過ぎた真似を…。」
扉の向こうでそんな萎んだ声を出したアナスは、小さな足音ともに部屋を出て行った。
「…アナス、ごめんね。」
サフィはそう呟くと、部屋の奥にある自分のベットに腰掛けた。