『あれ?ハル、また早いね~』


入ってきたのは、私の親友。



「おはよ。サキ、また放課後デート?」



『うーん、まあそうだけどさ。あ、また小説の素材にすんなよ~』



「わかってるって~」



サキは、手鏡で髪型チェック。



『今日は、昨日より風が強いよね?』



「そう?暖かいよ?」




そーかなー?なんていいながらグロスを塗り始めるサキ。




『よしっ!完璧!これで、キスされてもオッケー!』





そうやって、身だしなみを整える。




「サキは、先輩といい感じだね?」



『うーん、まあまあ?ハルも、はやく彼氏作りなよ?結構、いいもんだよ!』



「へー、すごいですねー」




『気になる人もいないの?』





気になる?


好きとは違う、気になる?






「多分、いない?」





だって、さっきの一瞬で


〝気になる〟より上の〝好き〟って気持ちになったんだ。