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「ただいま〜...」



いつものように壁に声が吸収されて

その声が耳に返ってくることはない






「なんなの...?」



私どうしたの?


...晴人のことが頭から離れない


茜ちゃんとうまくいって欲しい


そう思ってたのに。






「...どこにも行かないで」



気がついたらまぶたが濡れていた




「...うぅ.........ふっ...」


押し殺しても出てきて止める術を知らない




自分がなんで泣いているのかさえわからなかった




ただ一つわかることは

一人にしないで


そう願っていること。