少女は次第に少年に惹かれていった。



少女はこれを
運命だと信じた。




人は非日常な出来事がおこると
何かにつけて、
「運命」という言葉を使いたがる。



「ねぇ?どうしてなにも教えてくれないの?」


少女には気がかりなことが一つあった。
少年が自分のことについて何も語らないということだ。


「ねぇ?聞いてる?」


どれだけ追求しても答えてはくれない。


「もうちょっと大人になったら教えてあげるよ。」


少年について知っていることはたったの二つだけ、
21歳、少女と同じ都市に住む少年。


けれども少女は少年が好きだった。