3年生になり、学校生活もバイトも航太との関係も、とても充実した日々を送っていた。
でも、最近、柚葉の様子がなんだか気になっていた。
『あのさ、柚葉…』
お昼を一緒に中庭で食べた後、思い切って声をかけた。
「何?」 いつもの笑顔でこたえる柚葉。
「ゆずー、ちょっと古文のノート見せてくれない?」
2階の教室から声がかかる。
「うん、いいよー。まって、今行くね。何、和奏?」
『ううん、特になんでもないから』
そう言いながら、柚葉が教室にむかう姿を見つめた。
『なんだか違うんだよな…』
そうつぶやいて、ため息をついた。