土曜日、待ち合わせの場所で航太の車に乗った。 4WDの車の後部座席には、いろいろな本や、ファイルなど仕事の資料と思われる物がたくさん積まれていた。 「汚い車でごめんね。」 助手席に乗りこみ、海に向かって出発した。 写真集のことでしかつながりのない2人だったけれど、会話はとぎれることはなかった。 いつの間にか、航太のことをもっと知りたいと思う自分がいたし、自分のことも知ってもらいたいとも思った。