「本当にありがとう。あっ、この冊子はプレゼント。と言っても、子どもの学習誌だからうれしくないと思うけど…」



『ううん。こんな気持ちになれる本なんてうれしい。』



「でも、何かお礼しなくちゃ。なにがいいかなぁ…」



『じゃぁ、海に行きたいな。これ見てたらすごく行きたくなっちゃった』



「いいな。それ、実は、俺も行きたかったんだ。じゃぁ、明後日の土曜はどう?っていうか、俺と一緒でいいの?」



私は笑って『うん』といった。



だって、航太は、この海と同じくらい透き通ったまっすぐな目をしているから。