「何、見てるの?」


昼休みに、写真集を開いていると柚葉が声をかけてきた。


「いいねぇー。海。なんかいいことあったでしょ。和奏の顔、にやけ顔だよ」


『そんなことないもん。でもね…』


昨日の出来事を柚葉に話した。


「えー、どんな人?かっこいい人?何してる人なの。学生?社会人?なんだかドキドキす
るねぇ。和奏、恋の予感かもよ。」



『何、言ってるの、ただ、本見せて貸すだけだよ』


と言うものの、いつもより鏡に向かう時間は長い。


柚葉が変なこというから意識しちゃうじゃん。メイクを直し、バイトに向った。