夜、写真集を手に取り、ページをめくった。


写真という静止された画であるのに、私のところまで波がよせてはかえしている。


「ありがとう」


その人の声とともに、何度もお辞儀をしている姿が浮かび、思い出し笑いをした。


よせては返す波。



海の波に導かれたような出会いだった。