そして裏に書いてあるwakaの名前を見て、驚いたように、



「俺、藤村航太と言います」



と、名刺をくれた。



あれっ、こんなこと前にもあったような…



その人の笑顔はどこか懐かしく、愛おしく思えた。



「私は、坂井和香です」



それから、私に写真集を手渡しながら彼は小さな声で言った。




「良かったら今度、一緒に海に行きませんか?」



窓から吹いてきた風は、私達に海までの道をナビしてくれているようだった。



―end-