目が覚めた。
隣で、航太の寝息が聞こえる。
好きな人の息づかいが聞こえることに、こんなにも安らぎが感じられるとは。
晴人との迎えた朝はどうだっただろう。
ふと、急に航太の寝顔を見ながらそんな考えが頭をよぎった。
酔った勢いで抱き合った。
付き合い始めた後も体を重ねることで、つながっていることを確かめていたような気がする。
愛していなかったわけではないし、お互いを大切に思っていたはず…だけど…
いつのまにか相手の呼吸や、手のあったかさを感じずに過ごしてきてしまったように思う。
そして、一緒にいられる喜びさえも…
恋にはいろいろあると思う。
いろいろな人間がいる分だけ、いろいろな恋がある。
自分らしい恋をしていこう。
大人びた恋は疲れてしまう。
飾りのある恋はいつかさびてしまう。
我慢ばかりの恋は偽りを生んでしまう。
等身大の恋はやさしくおだやかになれる。