そんな私の気持ちなどおかまいなしに、航太は荷物をソファに置きながら話しかけてくる。
「今日はすごかったな。何だか今日一日なのに何日分かの体験したみたいな気分だな。本当に来て良かったな…和奏…わかな…聞いてるか?」
『うん』
「どうした、疲れた?あっ、和奏の好きなハーブティあるぞ」
『ありがと、航太。大丈夫。でも、ちょっと疲れたみたい』
航太と顔を合わせないように部屋に置いてあった観光案内のガイドブックを見ながら話をした。
「少し休めよ」
バスルームから航太の優しい声がきこえる。
『うん』
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