そうして、桟橋の端から紐のついたビンを海からあげはじめた。


「光の正体はこれ」


ビンには海水と下の方には小さなホタテの欠片だけだった。


マスターはビンを振った。


するとさっきの青い光がみえた。


「これはね、ウミホタル」


うみほたる…名前は聞いたことがあったけど…


腰にぶら下げていた懐中電灯を照らし、ビンの海水を少し手のひらに取った。


小さな、小さな生き物が見える。



「これがウミホタルだよ。体は小さな2枚の貝殻のようなものでできていて、夜えさを求めて活動始するんだ。青い光を出すのは、刺激によって、口から発光液をだすからなんだ。波や季節の関係で海までこんなに美しく光るのはこの時期だけなんだよ」