夕日が沈むと急ぎ足で夜がやってきたように、辺りは暗くなった。


桟橋は暗闇に包まれ、明かりは海岸通りのほのかな光だけだった。


桟橋の板の間から見える、波の白さが暗さを引き立たせるため、足元が急に不安になる。


その時だった。


海が光り始めて見えた。


『…どうして?…』


明かりは何もないはずなのに、波間に青く輝く光が見える。


  …きれい…


誰も、何も、話すことができなかった。


海風がほてった体を心地よく冷やしてくれる。


「海からの贈り物だよ」



マスターが静かに言った。