「はじめて見るのに何だか懐かしい気持ちになるのはなんでだろう」 「そうだね…きっと、生き物は海から生まれてきたからじゃないかなぁ。海を見て愛おしく思い、海を見て泣き、海を見て自分を見つめる」 マスターの優しい声が心に響く。 『いいものってこれだったんだね』 私が言うと、 「ううん、これもすばらしいけど、もっと幻想的かも…ねっ、マスター」 航太がこたえた。 マスターはウィンクしてうなずいている。