人には、生きてきただけの自分の道がある。


いろいろな人との出会い、別れ。


その時に吹いた風の強さ、太陽の温かさ、雨のにおい、涙の冷たさ。


うれしいことも、悲しいことも。


でも、それはいつか一つ一つが大切な思い出となり、その人になっていく。


その人の生きてきた分だけ。


それは、タカ先にも、航太にも、そして私にもある自分だけが知る大切な思い出。



タカ先の大きな背中を見つめながらそう思った。