木陰にうつり、4人で砂浜に寝転んだ。
『目を閉じても海が見えるね』
絶え間なく続く波の音。
潮の香り。
何度も、何度も深呼吸をした。
自分の体の色が海の色になってしまうような気がした。
「柚葉ちゃん、体調大丈夫?」
航太が声をかけた。
「うん、平気。海が私を洗い流してくれているみたい。癒しの力があるんだね。きっと」
そう言って、タカ先とつないだ手を自分の胸においた。
「じゃあ、予定通りってことでいいかな」
『うん』
私も航太の手をギュっと握った。
今日は航太が言うお楽しみを見る計画がある。
それは、夕暮れにならないと見られないらしいので、私と柚葉は親にお互いの家に泊まると言ってあった。