私が助手席に座り、タカ先、柚葉は後部座席に乗り込んだ。
2台で行こうかって話しにもなったけど、せっかく一緒に行くんだからと、みんなで乗ることになった。
タカ先も、その方が楽しいし、俺も運転変わるから。ということで決めた。
タカ先と柚葉にとっては、初の遠出デートなるから、二人でいたいんじゃないと言ったが、航太と私あっての二人だからと言ってくれた。
そんな気持ちもすごくあたたかい。
航太も自分を思ってくれている二人の気持ちがうれしいと言った。
車の中は修学旅行のバスの中みたいに、おしゃべりが途切れることがなかった。
「着いたー。なんだかいつもより早く着いた気がするな」
『そうだね。なんだかあっという間だったね』
「うわー、海かぁ。久しぶりだな。柚、気分は大丈夫か」
「ありがと先生、平気。海、大きいねー」
駐車場から砂浜に降りた。
いい風。
いい香り。
いい音。
4人は浜辺でしばらく黙ったまま海を見つめていた。