『もしもし、航太…』

「和奏。どうした?」


『あのね。柚葉、退院決まったの』


「そうか。よかったな」


あの切ないキスの日以来、航太は忙しかったからメールしかしていなかった。


なんだか話しづらいな…


『…うん…』


「じゃあ、海行き決定だな。すぐには無理だろうから、体の調子とそうだんだね。通院とかするんでしょ」


『2~3日は自宅で様子を見るらしいけど、その後は学校も行き始めるって。病院には定期的に行くらしいけど』


「そっか、お楽しみの日にはちょうど間に合うかもしれないな」

『お楽しみ、やっぱり何か教えてくれないの?』


「秘密って言っただろ。じゃあ、2週間後はどうかな。それと時間が遅くなるかもしれないけどいいかな」


『夜になるってこと?お楽しみって花火?』



「違うよ。もっとすてきなことになると思うよ。高瀬先生と柚葉ちゃんによろしくね。また詳しくは連絡するから」