柚葉の手術の経過も順調で、入院生活も1カ月がたとうとしていた頃、退院が決まったと
メールで知らせがきた。
うれしくてタカ先のところへ知らせに行った。
『先生、柚葉ね…』
「おおう、退院決まったってな」
『えー、もう知ってるの』
「うん、今メールがきた」
『なに、私だけに知らせてくれたんじゃないんだ。もぉ、柚葉。私は大切な人だから一番に知らせだと思ったのに』
わざとふくれっ面でタカ先に言った。
「残念だったな。俺も、大切な人だってことだなっ。今日、帰りに顔見に行くか。退院報告祝いにでも。坂井は時間どうだ?」
『うん。行く』