『…そういえば、今度、柚葉とタカ先とみんなで一緒に海に行きたいねって話になって…』


「…あっ、いいね。行こうよ。いつにしようか」


『いいの?なんだか、航太疲れているみたいだし…』


「ごめん。ぼんやりばかりしちゃって。大丈夫。ほんとごめん。そうだ、7月の初めはどう?柚葉ちゃんその頃には、体調も落ち着いている頃でしょ。」


『うん』


「前に言った、マスターのお楽しみ見に行こうよ。なっ!」


それからの航太はいつもの航太だった。


いつごろ行けるかとか、何時ごろ出発しようとか、柚葉やタカ先にも会えることが楽しみ
だなんて話が盛りあがった。


でも、私の気持ちの中には、写真を見た時の航太の顔が忘れられなかった。


私の知らない航太を見たような気がした。