お店はとてもおしゃれな雰囲気だ。


「やべー、こういうところって緊張すんなぁ」


人気のある店だけに若いカップルで込み合っていた。


「いらっしゃいませ」


すてきな店員さんの後につき席に向かう。


店内にはイタリアの風景写真や雑貨がたくさん飾ってあった。


『すごーい。何だか旅行に行ったみたいだね』


「…」


『航太…どうしたの?』


航太は私の声が聞こえていないかのように、写真を見つめたままだった。


『航太…』


「ごめん、ちょっと考え事してた。何たのもうか?」


私達は、ピザ、パスタ、デザートなどたくさん注文した。どれも、とってもおいしかった。


でも、航太は話をしていても、食事をしていても、なんだかぼんやりしているようだった。