「ありがと、先生。…悩んでいた時も、誰も本当の私には気づかなかった。でもね、先生と和奏は私のこと見ていてくれていたんだよね。うれしかった」
久しぶりに柚葉の最高の笑顔が見られた時、タカ先のプレゼントしたスイートピーがやさしく香った。
私達の心をあたたかいピンク色に染めてくれたようだった。
「いい友達もったな」
『いい先生に出会えたね。ううん。柚葉の一番の理解者なんだから。そうだ、柚葉の体がよくなったら、みんなで海に行こうよ』
「うん。行きたい」
「いいなぁ。海か。でも、俺も一緒でいいのかな」
『もちろん、ダブルデートってことでね』
そう言って、3人で泣きながら笑いあった。
きっとこれからゆっくりだけど、柚葉と先生は同じ時を刻み、歩み始めるだろう。