「あの時も和奏は気づいてくれていたんだよね。タカ先と話したこと覚えてる?」


『うん』


「和奏がメールくれたでしょ。タカ先と私のことを心配してくれてるって。あの時迷ってたんだ。自分は誰なんだろう。どうしたらいいんだろう。自分のことなのにわからないことばかりでしんどかった…でも、私のことを思っていてくれる人がいるっていうことがすごくうれしかったの。私は私なんだって。相手を思うことは自分を思うことにつながるんだってタカ先に教えてもらって、自分を大切にしようって」


何も言えずに私はただ話を聞いていた。