浜辺では子ども達が声をあげながら、波に向かっているのが見えた。
『行ってみよう』
航太の手をとり、砂浜へむかった。
いろいろな貝殻…
私は子どもにかえったように、夢中になって拾った。
色の鮮やかなもの、様々な形の巻貝、珊瑚のかけら…
『あっ、この貝…』
「なに?」
『たから貝って言うの。昔はこの貝がお金の代わりになることもあったんだって。だから、たから貝って言うんだって、聞いたことがある。』
「へぇー、和奏。詳しいんだ。まって、写真。」
手のひらの貝を写しながら、
「職業柄、情報はチェックしとかないとな。」
と航太が笑って言った。