「和奏は大切な人達に囲まれているなぁ」



キラキラと光る波を見つめながら航太は言った。



「俺もさ、先生の言っていることわかるなぁ。人の気持ちを理解することは難しい。特に自分が大切に思っている人の心は…。思いやっているつもりでも、気づかすに傷つけてしまうこともある。その人の幸せを思っているつもりでも、実は自分の考えた幸せを押し付けてしまうこともあるんだよな…」





航太の瞳に映る青い海は少しだけ遠く、さみしい色に見えた。