「和奏、おつかれ。仕事あがりだぁ。」
航太からだった。
仕事が終わったらしくテンションが高い。
「会いたいなぁ。会おうぜ。本当は今すぐにでも会いたいけど…明日は?迎えに行くからいいかなぁ、明日。何か俺だけしゃべってない?もしもーし、わかなぁ」
『きこえてるよ。おつかれさま。明日、本当にいいの?仕事で疲れているんじゃない』
「大丈夫。今日は徹夜明けだからあやしいけど、でも、今すぐに和奏の顔みたい。」
『徹夜明け?体、大丈夫?あやしいわけだね。テンション高すぎだもん。明日楽しみにしてるから、今からゆっくり休んでね』
それからも「早く明日が来るといいなぁ」と航太は繰り返し話をして電話を切った。
“会いたいなぁ”
航太と出会えたことも、航太からきた電話も運命になるのかなぁ、と考えながら、辞書と
写真集を本棚に戻した。