「優先輩のこと、好きじゃないなら関わらないでもらえませんか?」
真っ直ぐと私を見つめてそう放った。
「……ちょっと?! 優は私の弟よ?!」
「咲希…!いいから。」
咲希にそう言われても顔色を変えることはない。
「優先輩は、私がもらいます。」
「ねぇ…それってさぁ、あなたが決めること? …優ちゃんが決めることなんじゃない?」
その子はカァァっと顔を赤くした。
「とにかく、負ける気しませんから。」
それだけ言うと前を向いた。
……宣戦布告された?
なぜか分からないけど、モヤモヤが消えない。
この子に優ちゃんが、取られる……。
取られる……?
優ちゃんは、私のものじゃない。
分かってるのに。