「なんか桃さんに会うの久しぶりだ〜☆」
「ハイハイ。」
泣いてたときはあんなに女の子らしかったのに。
「明日、一緒に回ろうね!!」
「可愛い子ちゃんがやきもち妬くんじゃない?」
風が吹いて、髪をかきあげた桃さんの表情が怖かった。
「え?…美由ちゃんの事?」
「うん。一緒に帰ったりしてるんでしょ? 気持たせといて、桃と一緒に回ったりしたら、怒るんじゃないの?」
なんだよその言い方……。
俺は…
「俺は桃さんと回りたいんじゃん!!!」
「……あっそ。ま、好きにしたらいいじゃん?」
表情を変えることなくそれだけ言うと桃さんは、俺の前から去っていった。
桃さんの香水の香りだけが残った。