「あ、坂下先輩だ……」



俺はその言葉にハッと顔を上げた。



「優ちゃん…!」



「桃さん!!」


俺は目の前にいた桃さんに駆け寄った。


「な、何? なんか用なの?」


いつもの冷たい桃さんで、この前のことは怒ってないようだった。


「いや、怒ってると思ってて前のこと。」


「怒ってないから!可愛い後輩待たせてるじゃん。…早く行けば?」


桃さん……?


あれ?やっぱり、怒ってる?


でも、しつこく聞いたら怒るだろうな。


「あ!じゃあ、桃さんまた明日ね!」


俺は手を振り美由ちゃんの元へ戻った。