「やべぇ、朝ご飯に時間とりすぎた…

チイはまだ春休みだよな…

どうしようか?俺…仕事だし…

「大丈夫、留守番しておくから」

「大丈夫か?1人で …学校はいつから?

学校の日は 俺 休まないといけないよな」

「大丈夫だよ、留守番も出来るし、学校も 別に渉 休まなくて良いよ」

「けど、転校してきた訳だし…不安だろ?」

「大丈夫、新学期だから…それより

時間 大丈夫?」

俺は慌てて身支度を済ませた。

「わぁ、七五三みたい」

俺のスーツ姿にケラケラ笑い出す千秋。

「あのな…ってやばい、遅れるから

この続きは帰ってから…

夜は何か買ってくるから…昼は…」

「昼も夜も自分で作るから…ちゃんと

渉の分も作っておくね」

「えっ?マジで?じゃあ…これで…」

千秋に1万を渡した。

「戸締り、火の元 気をつけろよ、後

このお金でゲーセンとか行くなよ…

後…」

「わかってるって!遅刻しちゃうよ…

それより鍵…」

「あっ!そっか…合鍵なんてないし…

とりあえず、俺の渡しておくよ…後…」

俺は自分の携帯の番号を書いて渡した。

「何かあったら電話してこいよ、えっと

お菓子 200円分ぐらいなら

使っても良いから…」

「もう…遠足みたいに…」

苦笑いしながらも 玄関先まで

見送られ家を出た。

小走りに駅へ向かったが

千秋を1人 残して本当に大丈夫か

心配で仕方なかった。

職場へ着いても 仕事は上の空で

時計ばかり気にしていた。