翌朝 いつも通り目が覚め

下へ下りると キッチンに

千秋が居た。

「おはよー、あれっ?母さんは?」

「美咲ちゃんは 1時間ぐらい前に

飛行機の時間が間に合わないって

急いで出かけたけど…」

「相変わらずだな…ってか

母さん?作ってたの?」

テーブルに朝食が用意されてるのに

驚いて千秋に尋ねた。

「違うよ…チイが作ったの」

「だよな~母さんが作る訳ないよな…っつか 凄いなぁ 朝から…

俺なんか 毎朝 トーストと牛乳だったからな」

「朝はね、しっかり食べなきゃダメなんだよ…もう食べる?

お味噌汁 温めるから…」

「おぅ…」

(何か変な気分…何だ?新婚さんみたいな感覚…イヤイヤ…有り得ない)

千秋が味噌汁と炊きたてのご飯を

持ってきた。

「腹痛 起こさないだろうな?」

「酷い…そんな事 言うなら
食べなくて良いよ」

「ジョーク、ジョーク」

味噌汁を口にした。

「んっ?」

「何?何?」

「意外…めちゃくちゃ旨い マジ美味しいよ、こんな味 何年振りだろう?
ばぁちゃんが居た頃以来だよ」

俺は久しぶりの家庭の味に

朝からガッツリ食べまくっていた。

千秋はその様子をニコッと笑いながら

見ていた。

「食った、食った~ 朝からこんなにガッツリも初めてだよ…っつか、お前は
食べないのか?」

「後で食べる…それよりチイの料理に参った?」

「参りました~」

二人は大声で笑った。