「チイちゃん、もう ここは

チイちゃんの家だから

遠慮しないでね…」

「ハイ、美咲ちゃん」

「あれっ?帰ってたの…」

「渉…居たの?」

「誰?その子?」

俺は見知らぬ少女が母親と仲良く

会話してる姿をみて

不思議に思った。

「誰 その子?の前に挨拶しなさいよ」

( ったく、なんだよ…いきなり帰って来て 訳のわからないガキ連れてきて
何が挨拶だよっ!)

母親に苛立ちながらも

俺は軽く会釈した。

「ちわっ!」

「こんにちは」

「渉、あなたって子は…大の大人が
何?その挨拶の仕方は?」

「だったら、母さんもなんだよ…

いきなり帰って来て 紹介もなしに

何が挨拶だよ!」

俺の一言でハッと気付いたかのように

慌てて 少女を俺の目の前へ立たせた。

「中畑 千秋ちゃん チイちゃん

今日から 白石家の家族として

一緒に暮らすから…」

俺は耳を疑った。

「はぁ?どーゆー事だよ?」

「そーゆー事…チイちゃん、部屋

2階だから行こう」

「ハイ…」

少女は俺に舌をペロッと出してクスクス笑いながら

2階へ上がった。

「母さんっ!ちゃんと説明してくれよ…」

俺は突然 少女がやってきた事に

ただ、ただ驚くばかりだった。

「この部屋がチイちゃんの部屋よ、荷物が届くまで ちょっと殺風景だけど
我慢してね」

「あのさ…何?勝手に?何で、この子が
この部屋 使う訳?」

「ダーリンには許可もらってるから…」

(ダーリンは止めろっ!!)

「美咲ちゃん、ボストンバッグの中の物
片付けて良いですか?」

(美咲ちゃん…???)