「ひーくん……どこ、行くの?」


「ん?」


「ん?」




ひーくんはニコッと笑って、その後に軽くあたしの口にチューをすると何事もなかったかのようにまたあたしと手を繋いだまま歩き始めた。



いやいやいやいや。



その笑顔が逆に怖いんですけど?!?!



しかもチューで誤魔化せたと思ってるみたいだけど誤魔化せてないからね?!



むしろ更に不安になったからね?!



だけどビビリなあたしはそれ以上聞くことが出来ず、とりあえず黙ってひーくんについて行くことにした。



ここはひーくんを信じるしかない。




……そして、ひーくんはある細いビルの前で立ち止まると、すぐ横にある螺旋階段を上がり始めた。



女の勘だけど、絶対この先には女の子が入るようなお店はないってすぐに思った。



なんだろう。



とにかく怖い!!

逃げたい!!

あたしどうなるの?!?!