矢萩の急なカミングアウトにたじろいでいると、矢萩の話が進んでいった。
「でも振られたんだ。好きな人がいるって」
「す、好きな人?」
「お前だよ、鈴木」
お、俺―――――!?
驚いた拍子に椅子がガタッと音をたてて倒れて、俺はその場に立っていた。
「俺は、教師だ、恋愛に年齢なんて関係ないって思いたいけど、ハハッ振られちゃったからな」
ハハッと笑って、それでも矢萩の表情は真剣だった。
「お前も中原が好きなんだろう?」
「…………好きっていうか、好きって言うよりも」
ミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミン…