「なにが?っていうか、俺のこと好きなの?」
「ぎゃっ!?!?!」
すぐ真後ろでつぶやかれた声は
余裕に私の心を飛び上がせる。
ゆっくり後ろの方に首を回せば、大きな彼の姿があった。
一言。
わたしは
やばい
と思った。
「......げっほ..ぐほっ」
あまりに静かで、この沈黙と緊張に耐えきれなく勢いおくむせてしまう。
「なに驚いてるの?俺の話でしょ?」
ニヤリと口元をあげる彼に
私は、逃げようか逃げまいかの葛藤。
やばいやばいよ。
もう、殺される......!!!
「ぁ....っ!!」
口を開きかけた時、里美の言葉が脳裏によぎった。
「.............。」
必死に口をへの字に曲げ、無視ということを試みる。
うぅー
...なのに、
何も返答のしない私に関して
彼は余裕な顔で私を見下ろすだけ。
「どうしたの?ねぇ?ねぇ?」
急かすような彼に、涙目になりながら必死に堪える。
「....................。」
言わない。言わない。言っちゃダメ!
そう言い聞かせながら、私は、必死に口をつぐむ。
「へぇーーーーなるほどね。
俺のこと無視するんだ。ふぅん。」
ニヤニヤした彼
顔は大好きな龍斗くんを無視するという私の心はすでにボロボロ。
「...........っ!?」
「...俺のこと好きなの嫌いなの?」
覗き込むように私を見た彼の顔が急に切なく悲しくなるのが見える。
ぇ...なに。
その瞳は、離さないでと言われてるようで、私の胸を苦しくさせる。
「...な、なんですか。」
「うん。やっと声聞けた。」
わたしがちいさくつぶやくと
彼は満面の笑みを浮かべて私の頭を優しく撫でた。
...いねこ、天国に行きそうです。
色んな意味で...