確か、いねこの学校は今週創立記念日があったはずだ。


となれば、長期休み。



九州コレクションズに連れて行くことも可能だ。




だけど、あんなに怖がられている俺にのこのこついてくるような彼女じゃない...。




......お願いだから、嫌わないで。




強引に進めようとする俺の計画は、きっと彼女を苦しめる。




......だけど、俺は彼女を救ってやりたい。



いねこは笑っていないと....ダメだよ。






家に行くと、彼女は案の定、俺を追い出そうと、必死に抵抗した。



か細い手が、ふるふると震えて


涙目になりながら俺を睨んだ。




.......かわいい。



こんな状況なのに

小さい彼女の上目遣いは俺を軽く失神させるほど。




「.....やめてください!」




「やだ」




そうやって強く抱きしめた。



ドアが小さく音を立ててしまった。




あまりにも小さくて細すぎて

高価な宝石を握るかのような

そんなあわいきもち。





俺の腕の中で震えていた彼女が
パタリと動きを止めた。




......ゆっくりと瞼を閉じた彼女。




.......っ!?



あまりにも理性が飛びそうだ。


キスしようと近づく俺は
ギリギリのとこで我に帰る。



.......反則すぎる。


潤う唇は、俺の心をドキドキさせた。







「.....ごめんな」



俺は、気が失った彼女を抱えると


マネージャーの待つ車に急いだ。




.......強引さを許してほしい。



好きなんだ君が。