「ねぇねぇーーー!!」


昼休みのチャイムまで後5分。


ゆったり中庭を見下ろしながら昼寝中の私を彼女は起こす。



「里美(さとみ)ねむい。」


「つれないなー。ねぇ見てよー雑誌の今年のイケメンランキング、またこの人だよー」


ぶぅーっとほっぺたをふくらませながら、トントンと雑誌の中の男を指でさす。


めんどくさいな


と思いながら、見ると普通にイケメンだし、まぁテレビでよく見るし当然の結果じゃない


と私は思うわけで



「そんなのどうでもいいから、寝たい寝たい」


「じゃぁーさーいねこちゃんなら、誰と付き合いたい?俳優で?」


机に頬杖をつく彼女に


「...ぉ」


と小さく声を漏らす。


「急に目が輝きましたねいねこさん。」




里美の言葉どうり

待ってましたかのような質問に

私の耳がピクンと反応した。


「いやーねぇ」


「いつもの通り頭の中は山崎くんですか」


イエス。よくお分かりで。

こうなったら私の龍斗くんへの愛は止まらないわけで...


「私は、断然、龍斗くん。こんなちゃらけたおっさんよりも龍斗くん派。」



ドヤ顔をかますと、私は龍斗くんを頭に浮かべながらもう一度寝る体制に。



「えーー分かるけどさー。完璧男子すぎて目が開けられないわー。しかもおっさんって呼ぶな」


「いやいや、例えばの話でしょ。」



付き合うなら




もちろん龍斗くんしかいない。


他の人とかありえないし、このクラスの男子にも
みんなキャーキャー騒ぐ先輩にも興味なんて全くなくて


龍斗くんじゃないと付き合わないから。


背が高くて声がもう、私のどストライクで顔はもちろんイケメンでスタイル良くて
演技派俳優で。


「会いたいね〜」


ふわふわーした青春をしたい。
お相手は
山崎龍斗くんで


「はいはい。」


ほぼ呆れたように雑誌を閉じた里美は私の頭をポンと叩いた。


「現実みなよー。
んじゃあ。そろそろいくねー授業だー」


チャイム音がなり、私はひらひらと手を振り里美が席をつくのを見守った。




すました顔の私。

だけどこれはポーカーフェイスというもので
完璧心と脳の中では、龍斗くんとの共演シーンをムンムンと考えているz


にやつき頬を必死で隠す。




現実みなよなんて言われても
私が見てるのは今この時だし、もしかしたら偶然道端で転びかけたとこを助けるとか、声をかけられるとか、あるかもしれないし。




「70ページを開いてー」


少しお腹の出た現社の男の先生が私たちに言った。



「ふぅーーーー」


私は脱力したように机にふて寝する。



妄想しながら寝ようかななんてかんがえながら。


もちろん山崎龍斗くんと。



それがわたしの日常で。


龍斗くんとお付き合いするのが目標で


だから私はーーーー






あなたと会えたのが幻なんだ。