学校では私は英雄に近かった。私に近づいてくる人達は皆私を羨ましがった。あんな素敵な家庭にいて羨ましい。皆口々にそう言った。けれど私に近づいてくる人達は皆私に興味があるわけじゃなかった。私の“持っているもの”に興味があるだけ。そんなにうちの家の子になりたいのなら喜んで変わってあげたい。何度もそう思った。


近所や学校、父と母のことで嫌になることもたくさんあった。


そのたびに私は兄のもとへと駆け込んだ。