私はというと、勉強も容姿もなにもかも普通な女の子。とくに取り柄もなければ自慢できることもない。

そんな私を近所では残念な子、そう呼んでいた。父と母はそのことを耳にすると私に言った。お兄ちゃんを見習いなさい。うちの子なんだから。

“近所でも名の知れた理想的な家庭なのだから”

私にはそう聞こえた。