「好きだよ」って一言が
いつも いつも言えないんだ
君に会う度この胸は
速さを増して ときめくばかり

この気持ち 何と呼ぶのか
ほんとはもう知っているんだ
どうして君に逢えたんだろう
答えなんて なくてもいいよね?





 1番の歌詞は曲調の爽やかさ・軽快さと重なり、抱えきれなくなった溢れる思いを歌ったラブソングになっている。しかし、2番の歌詞は全く違っていた。テレビということで一部が飛ばされているが、主人公が抱えていたほのかな光が徐々に消えていく様が描かれているのだ。





知らない表情(かお)で笑う君
何だか少し 戸惑ったんだ
立ち尽くすしかできなくて
全ての時間が止まった気がした

「おはよう」 その一言さえも
見つけることが できなくて
どうするべきか 分からずに
君をここから見つめているよ





 誰かが「悲しい曲だね……」と呟いた。曲調と歌詞のミスマッチが、不思議と涙を誘うのだ。それは決してちぐはぐな関係ではなかった。聴いていると、知らず知らずの内に二つが調和していくのである。シャラシャラという効果音さえ、届けられない気持ちに対する哀しみを表しているように思えてくるのだった。