「やっと来た…」
「何だ、もう来ちゃったの?もっと来羽と喋りたかったのに…」
「…翠」
「愛してるよ、来羽…」


甘い声を出し合って、見つめ合っている二人を見つけた。
金髪のショートヘアに青い目を持つ神代 翠、一言で表すなら美少年。女だけど。
篠宮 来羽、彼女は本当に美少女。ゆるいウェーブのかかった茶髪のロングヘアでフランス人形みたいな顔立ちをしている。
 
 
馬鹿だ、確実に。
面倒度120%。
二人の前をスッと、何事も無いかのように通りすぎた。待ち合わせなんか知るか。
 
 
が、
 
 
「こら侑貴、どこに行くの」
 
 
もちろん、時間に厳しいこの娘さんが許してくれるはずもなくて。