二人で歩き出してから腕時計に目を落とす。デジタルでシンプルなそれは8時を告げていた。
 
「まだ早いよね?」
 
と問いかけると、流宇は怪訝そうに眉をひそめた。
 
「ばか…、約束は7時50分でしょ」
 
「あ、」
 
そうだ…
朝、ちょっと寝坊して、約束の時間に遅れていたんだ…。
 
そんな事を思い返していると、流宇は小さくため息を漏らした。


「全く、王子-プランス-やるんだから、完璧になってよね……?しっかし、侑貴の何処が良いんだか…」
 
「流宇…お前、今何て言った?」
 
 
 
突っ込まずにはいられなかった。
自分でも驚くほど早く、流宇に返答していた。