「あのっ、私いつも貴方のこと見てて…好きです…!」
 
 
あぁ、またか…
 
 
「悪いけど、」
「好きな方でもいらっしゃるんですか…?」
 
 
「は…?」
言葉を遮られ、質問に驚かされた。普通、断ろうとすれば泣き出してしまうか食い下がるかのどっちかだ。だけど、どうやら彼女は違うらしい。まぁ遮った時点で想像を超えているのだけど…。
 
 
 
「だって、お断りしていらっしゃるお話ししか存じ上げませんわ…。好きな方がいらっしゃるとしか思えませんもの」
 
 
 
さぁどうするべきだろう。
断り続けていれば、いずれ、そんな噂が立つことは考えていたが…
 
顔にこそ出さないが、動揺している事は自分が一番分かっていた。
 
 
 
 
「侑貴。」