「え?」
驚いた顔を見せると、紅王子が微笑む。
「宜しくね、花王子-プランス・フルール-」
紅王子は有無を言わせぬ声をしている。
…うん、従わない、という選択肢はないようだ。
「辞令は今日出してきたから。」
紅王子は4枚の紙を出した。
「侑貴は花王子、
流宇は水王子‐プランス・オー‐、
翠は月王子‐プランス・リュヌ‐。
そして来羽さんには秘書-ディレクシオン-を務めてもらおうと思う。」
来羽が驚いたような顔で、紅王子を見る。
「私が秘書-ディレクシオン-、ですか?」
「困るかい?」
切ない顔で、紅王子は来羽を見つめる。
さっきとは違う感情で従わせるつもりなんだろうか。
こんなキレイな人にあんな風な顔で言われたら、誰も何も言えないだろう。