「待ってないから大丈夫よー。
みぃちゃんってば、相変わらず蒼姫にしてやられてたね。」

クスクスと可愛らしい笑みを浮かべた『しぃ』さん。
『みぃちゃん』は紅王子を指す訳か…。
もう一気にいろいろ起きすぎて頭痛い…。


「しぃ、自己紹介して。」

紅王子は苦笑いしながらも『しぃ』さんに促す。




「あっ、そーか!
私は、久家紫苑だよ。
みぃちゃんとは、ずーっと同じクラスで、ずーっと一緒にいるの!」

にこやかに笑う彼女は、幼く見えたが3年生らしい。

「私のことは、『しぃ』って呼んでいーよ!
みんな『しぃ』って呼ぶからさ!」

…確かに、『しぃ』って呼びたくなる容姿ではあるな。
てゆうかこの人何者?



「彼女は紅王子の秘書、ディレクシオンさ。」

紅王子がそんな私の気持ちを察したのか、社長室にありそうな机を挟んだ向こうの椅子に腰掛けながら、話を変えた。


「秘書?ディレクシオン?」

もう訳わかんないから、気になったワードをあげてみる。

「さっきも言ったように、ここの生徒会は特殊でね。
さっき逢った蒼姫と風姫も生徒会役員なんだよ。」

先ほどのことを思い出したのか、ゆっくり息をはく紅王子。