今なら少しだけ、父さんの気持ちが分かるかもしれない。



愛する人の目を、真っ直ぐ見れなくなってしまった事・・・



俺にもあったから。


心の中では、自分の事を責めていた。



怖くて・・・怖くて



失ってしまってから、気付くんだ。



自分の過ちに・・・


自分の愚かさに・・・




でも俺は、父さんとは違う。



本当に大切だと気付いたから、もう2度と離さない。



自分の手で、守ってみせるよ。






俺、思い出したよ。


俺の元に届く事はなかったけど、


クリスマスや誕生日に、父さんが俺にプレゼントを用意してくれていた事。



こっそりチョコレートを買ってくれた事。




夜中に俺の事で、母さんとケンカをしていた事。




父さんも辛かったのかな?


俺の為に、苦しんでくれていたのかな?



母さんからの手紙を20年以上、大切に持ってくれていた父さんを・・・




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