「もっと、早く渡したかっのに、遅くなってしまって・・・
母さんは、本当に歩太の事を愛していた。
もともと心臓が悪くて、子供を産む事をみんなに反対されていた。
それでも母さんは、歩太を産む事を選んだんだ。
迷う事なく。
歩太と過ごした2年間、母さんは、とても幸せそうだったよ。
父さんは、歩太を幸せにしてやりたかった。
母さんの分まで、愛してやりたかった・・・
でも、一度目を逸らしてしまうと、どうすればいいのか、分からなくなってしまったんだ・・・。
歩太の目が・・・母さんが責めているような気がして、歩太を真っ直ぐ見れなくなってしまった。
傷つく歩太を目の前に、何もしてやれなかった。
本当にすまなかった・・・。
信じてもらえないだろうけど、
父さんは、歩太の事を愛していたんだ。
歩太が生まれた日から、今日まで・・・
ずっと歩太を愛していた。」
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